2022.01.07
《家族信託は全国対応しています》★信託の契約書作成とコンサルティング/受託者への支援
実家の父が認知症!? 心配だから家族信託をしたいけれど、近くに専門家が見つからない。どうしよう……。 こんな方、少なくないのでは? 誰に相...
2022.01.07
実家の父が認知症!? 心配だから家族信託をしたいけれど、近くに専門家が見つからない。どうしよう……。 こんな方、少なくないのでは? 誰に相...
もっと家族信託! 石川秀樹のブログです
静岡県家族信託協会は、家族信託の契約書作成とコンサルティングを中心業務としています。 元々は、相続と、人生後半期に起こるさまざま問題をワンストップで解決する場をつくろうと、行政書士、司法書士、ファイナンシャルプランナー、生命保険や不動産の専門家が集まりました。 <どこに相談したらいいか、わからない>という一般の人の声に応えました。 介護や医療関係の方々とも、強い協力関係を築いています。
高齢の方々、またそのご家族といろいろな問題を考えてきました。 ひところは「皆様の期待にこたえよう」とこんなことを懸命にやってきました。
終活ブーム、節税の流行(?)、そして生前贈与の高まり。 こんな“現象”の一翼を担ってもきました。 しかし最近は、<もっと大事なことがあるのではないか>と気づきました。
目の色を変えてすすめてきた私たちの「対策」のほとんどは、死後に利く対策(?)でした。 さしたる根拠もなく「人生80年」だと、刷り込まれてきた感じがします。 ところが現実は、どんどん人の寿命は延び、今は「人生100年!!」
この、20年の思い違いは、後半人生に実に重い「現実」を突き付けます。 お金が足りないんです。 人は認知症になるんです‼ 70歳までは5人に1人。 でも90歳を超えると、6割—8割の人が認知症になります。 もはや誰も「私は大丈夫」といえないことがはっきりしました。
もっと、大問題があります。 認知症になると、お金が止まります。 それも真っ先に、「定期預金」などの大きなお金が。 困ったことに、今まで皆さんは、大事な老後資金をこのようにしてきました。
これら重要な財産が「凍結」されてしまうのです。 なぜ金融機関は個人口座を凍結するのか。 不動産の契約ができなくなるのか。
「意思能力」です。 あなたに、あるいは親御さんに意思能力がなくなれば、 民法では、人の行為能力を認めなくなってしまうのです。 本当は、認知症で「意思能力喪失」となるのはよほど重篤な場合だけなんですが。 でも銀行は「認知症」と聞いただけで、軽度でも反応します。
人は脳梗塞になって意識が薄くなっても、わずかでも意思疎通できれば、 財産を凍結されるようなことはありません。 「認知症だけ特別扱い!!」 これは、異常な事態、というべきでしょう。 しかし、それがまかり通っています。
認知症だけ特別扱いの本当の理由は、わかりません。 銀行の過剰反応、世間の人の偏見………。 いずれにしても「認知症」がよく知られないまま、手痛い結果が待ち構えています。
その結果、こうなります。
銀行に勧められ、成年後見申立てをしてしまう家族が後を絶ちません。 平成29年の申立件数の83%がこの理由。 お隣の「保険金受取」「不動産の処分」を入れれば、100%を超えてしまいます。 お金の理由で、成年後見に踏み入ってしまうのです。
成年後見制度の功罪については、これまでもいろいろ書いてきました。 こちらを参考にしてください。
《完全版》★使ってはいけない「成年後見」。認知症対策の切り札にならない。その災厄は家族を巻き込み、離脱できず苦悩が続く!
ひとことで言えば、「使いづらい」です。 後見人報酬は数百万円(後見は亡くなるまで続きますから)、 財産管理の中身は家族に知らされない、 病院や介護の手続きも職業後見人に持っていかれる、 その結果、家族の和が崩れ、家族が分断されてしまう、 そして職業後見人の高飛車な態度に本人や家族が傷つく。
静岡県家族信託協会には、全国から、家族の窮状を訴える相談が届きます。 その内容を見るにつけ、「手遅れになる前になぜ、 家族信託の存在を知ってくれなかったのか」と思うのです。
信託法は、民法の「委任―代理」の観念とは無縁です。 財産の性質に着目します。
民法が言う「所有権」は、「名義」と「所有することで得られる利益」を切り離さず、「一体である」とみます。 しかし信託法では上のイラストのように、「所有することで得られる利益」を「受益権」と言い換え、 「名義」とは別個のものであると考えます。 この考えにより、名義を持つ人と受益権を持つ人とを、分けて考えることができるようになりました。
名義を持つ人が「財産を管理し、処分する権限」を持ちます。 民法で考えると、所有者は必ず管理する人(名義人)であるので、その人が意思や判断力を失くしてしまうと、処分することができなくなってしまいます。 だから自分の預金を引き出せないし、契約も結べないのです。 ところが信託法では、財産処分をする人を所有者とは別に作ることができるようになります。 財産をその人に預けた(委託した)とき、名義だけを預けた人に移転させます。 預けられた人は、自分(名義)の財産になっていますから、預けた人の意思能力云々にとらわれることなく、財産を処分できるようになります。
この威力はすさまじいもので、認知症の問題を解決します。 認知症がごく軽いうちに、本人か、ご家族が 「危険な状態にあること」を察知して、 家族同士で契約を交わしておけば、財産の凍結を恐れる必要はなくなります。
長い説明になってしまいました。 1冊の本に書けるほど、家族信託は奥が深いです。 というわけで、家族信託の本を書き上げました。
『認知症の家族を守れるのはどっちだ⁉ 成年後見より家族信託』
家族信託の実際の事例を満載した本です。 もちろん成年後見と家族信託も比較しました。 本人にしてみれば、自分の財産を他人が管理しようが、 家族が管理してくれようが、託すには勇気がいると思います。
その前に、自分の心身の常況に言いようのない怒りや、悲しみを感じているかもしれません。 成年被後見人とされた多くの人が、完全に事理弁識を欠いているわけではありません。 人間としての誇りがあります。 今まで立派に、生きてきた人ばかりですから。
その人が財産を託そうというのですよ。 たいへんなことです。 ですから、成年後見にしろ、家族信託にしろ、 それをすすめる人は認知症を理解し、人を理解できる人でなければなりません。
とても重い責任を感じます。 技術や理屈、財産管理の手法のみで認知症問題は克服できません。 一所懸命に聴くことに徹し、真摯に契約書、 その人のためになる契約書を書きたいと思っています。
認知症でお困りなら、 静岡県家族信託協会にご相談ください。 全身全霊で、私たちにできることを考えます。
(静岡県家族信託協会)