★なぜ銀行は、親の認知症を知るのか? 本人への意思確認は×委任状→〇本人に直接電話。難しくなった家族の代理!

家族信託

幻冬舎GoldOnlineが、拙著『家族信託はこう使え 認知症と相続  長寿社会の難問解決』から7記事選んで抜粋し、ネット配信してくれています。
連載第3回は、<気づいたら口座凍結…なぜ銀行は、親の認知症を知るのか?(同オンラインが独自に付けたタイトル)>。
このテーマ、反響が大きいですね。[認知症になると預金口座が凍結される恐れがある]ということ、ようやく知られるようになってきたようです。
で疑問に思うのは「銀行はなぜ親の認知症を知るのだろう」ということなんでしょう。
まさにそこなんです!「敵を知れば百戦危うからず」といいますよね、今日日の老後対策の第一歩は「銀行の手の内を知ること」です。知るだけではダメ。相手の魂胆を見抜いてこちらも対応策を持っていないと、ひどい目に遭います
というわけで、今度の本『家族信託はこう使え 認知症と相続  長寿社会の難問解決』の第6章冒頭の「コラム」でこの問題に触れたのです。
銀行の観察眼はあなどれませんよ。銀行フロアでのお客さまの動向はもとより、(あなたは見破れっこないと思っているかもしれませんが)支店内はおろかコンビニATMでさえ、何か“特異なお金の動き”があれば銀行はちゃんと把握します。

◆凍結回避の第一歩は「銀行の手の内を知る」です

まずは論評抜きでGoldOnlineの配信記事をお読みください。
その後、続きの文脈で銀行は委任状より、『本人に直接聞く」を優先 ▼本人の意思確認は電話で ▼高齢者は電話が苦手、憂うべき変化です―—までを一気に掲載します。
事の重大さを具体的に書いているので、追加の解説もほぼ必要ないかと思います。
銀行を侮るなかれ。何も知らず《銀行の人は親切》とはるか昔の自分の印象で、今でも銀行は信じられるなどと思い込むのはやめてください。
あなたの人生第4コーナーは延々と長いです。だからお金は大切。その“兵糧”を止められないように、「今の銀行の対応」を見つめ直してください。

 

気づいたら口座凍結…なぜ銀行は、親の認知症を知るのか?

《幻冬舎GoldOnlineが独自追加した 連載記事リード》
「親に数年会っていない」「家族との仲が悪い」──こうした状態が、「成年後見」を招く要因となります。また、多くの人にとって「相続」と「認知症」は人生後半における大きな課題です。もし、この二つの課題が同時期に重なってしまうと──資産が凍結されて「自分のお金が使えない」という最悪の事態を招いてしまいます。石川秀樹氏の著書『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決 』(ミーツ出版)より、人生において知っておくべき「相続と認知症」「成年後見」に関して書かれた箇所を、一部抜粋してお届けします。

《本書95ページからの本文抜粋》

突然の口座凍結…要因は?

本稿からは、銀行とどのようにつきあえば口座凍結を恐れることなく、老後を平穏に過ごしていけるかについて解説していきます。ところで、なぜ銀行は親の認知症を知るのでしょう。以下をご覧ください。本人の不用意と家族の“自白”+銀行の観察力、が主因といえそうです。

〈本人の行動から〉

  • 通帳をよく失くす(度重なる“再発行”)
  • 何回もキャッシュカードを失くしたと届け出る
  • カードの暗証番号を忘れる(3回のミスでATMはロックされる)
  • ATMの前で途方に暮れる(以前はできていたことができない)
  • 払出申込書の記入ができなくなって行員に声を掛けられる
  • 以前の様子と様変わり、自信なくオドオド(これも行員が声掛け)
  • いつもの行員によそよそしく接する(典型的な認知症の人の行動)
  • 自分の名前が書けない(住所と生年月日も答えられない)
  • 銀行側はお金を渡しているのに「受け取ってない」と言い張る

〈家族の行動から〉

  • カードの引出し上限額を連日おろす(銀行から理由をただされる)
  • ある日を境に、引き出しが頻繁になり、大金がおろされる(本人のためにであっても“異変”に銀行は緊張する)
  • 本人でない人(たぶん親族)が、自分の口座に何回も振込む
  • 家族が勝手に引出すので、他の親族が銀行に相談する
  • 子が親に付き添い一から十まで指図(付き添いの限度を超す行動)
  • バカ正直に、「親が認知症で困っている」と話してしまう
  • 詐欺被害を心配した家族が「本人に払出ししないで」と銀行に要請
  • いつもの人と違う人と窓口に来て大金をおろす(詐欺の心配)
  • 本人でない人が、定期預金解約や定額自動送金などの手続きをする

委任状と代理  使える金融機関は限定的

〈代理〉。誰もが知っている古典的な方法ですよね。
かつての銀行はおおらかでした。大手の都市銀行でさえ、小さな支店などでは、毎月のようにお父さんの代理をして窓口で引き出しているようなお嫁さんなどの場合、“顔パス”といいますか、お父さんの通帳と届出印さえ持参すれば、いちいち委任状を書くこともなく生活費などを払出してくれたところもあったようです。

 

銀行は委任状を信用していない!?

高齢の方たちにとっては、銀行ってそういう所だというイメージが強く、頼りにしている人が多いと思いますが、ここまで書いてきたように、もはやそれはまぼろしのようなもの、通用しません! 頭を切り替えてください。

銀行フロアに「委任状」が見つからない

今の銀行で、フロアに委任状を置いているのは少数派です。
本人が委任状を書き家族に代理させるという古典的な方法、もう“絶滅危惧種”かもしれません。メガバンク、主要地方銀行、信用金庫、農協など、かつては普通に筆記台のところに置いてあったと思うのですが、見つかりません。インターネットで検索しましたがこちらも当て外れ。[銀行_引出_委任状]と検索しても、主な銀行の委任状はヒットしません。あるのは、ゆうちょ銀行、JAバンク、ろうきん、それに信用金庫など。地元密着のはずの地方銀行でも、ネットに委任状をアップしているのは広島銀行、清水銀行くらい。

銀行は委任状を信用していない?

この現象はなんなんでしょう。銀行は委任状を認めなくなった? ATMが普及しているから、今どき通帳と印鑑でおろす人はいないから? そんなことはないと思いますけどね。私の母もカード嫌いで、いつも外出のたびに同じバッグを持ち、通帳と印鑑を入れていました。(「危ないから、やめたら?」と何度もいっていたのですが)今でもそういう人はいるのではないでしょうか。ではなぜ?

うがった見方をすれば、銀行は委任状を信用する銀行と、しない銀行に二極分化しているのかもしれません。

銀行は親の認知症をどうして知るのか

委任状は誰でも書けます。当然本人が書くべきですが、ゆうちょ銀行などでも、窓口で本人の筆跡を照合している気配はありません。JAバンク、ろうきんでも同じ。本気で疑えば、銀行は申請書のたぐいを何年間分も保管していますから、照合は簡単なんですけどね。人員削減が進む中で、異常な引き出しではなく、通常の生活費の引出と推測できる場合なら『そこまでしなくても大丈夫』と考えているのかもしれません。

しかし、ふだんは甘いように見えるこのような銀行でも、一度に大金をおろすような時には態度が一変します。委任状ではなく、本人の意思確認を求めることになるのです。つまり、本人の口から何のためにいくら引き出したいかを聞き出すのです。

『家族信託はこう使え 認知症と相続  長寿社会の難問解決』の第6章は「もっと手軽な凍結回避対策 後見、信託を使わずに家族ができること」を紹介している章です。代替策の筆頭はもちろん「家族の代理」です。誰でも行ってきたこの代理が今、“絶滅危惧種”扱いです。高齢のご家族がいる場合をかんがえてみましょう。同居をしていない、両親は遠方で夫婦ふたりか単身くらし、このような状態にいながら「親のお金の管理は大丈夫かしら」「いつか口座を止められないかしら」という心配をしたことがない人は、相当に“甘い人”と言わざるを得ません。
まずは、現状を知ってください。幻冬舎GoldOnlineの記事の続きの部分です——
▼▼▼オリジナルはこの本です。

《▼『家族信託はこう使え 認知症と相続  長寿社会の難問解決』97ページからの抜粋》

◆銀行は委任状より、「本人に直接聞く」を優先 

 委任状を置いていない銀行は、委任状という紙ベースの証拠ではなく、本人の意思を直接聞く、というように変わってきているように思えます。ふだん銀行で顔を見かけるような人が、「親の代理できた。預金をおろしたい」というような場合は、本人に電話をして「出金したいかどうか」の意思を直接たずねることが多いようです。
 一方、見知らぬ人や、犯罪集団を利する可能性がある高額な取引については、多くの銀行が共通のルールを作って対応しています。
 ❶200万円を超える現金や小切手の受払を伴う取引、❷10万円を超える現金による振込、❸口座の開設時――などの取引では、口座名義人の氏名と住所、生年月日を本人から聞き出し、取引の目的、本人の職業までしっかり聞く。さらに、これらの取引を、代理の人を介して行う場合は、その人に本人確認書類(主に免許証やマイナンバーカード)を提示させ、誰が実際の取引をしたか、までを記録として残しています。
 これらのルール化された本人確認や本人の意思確認は、委任状1枚の提出で取引OKとするより、はるかに厳重です。かつては特定な生活圏の人々を対象としていた銀行の各支店も、今やグローバル社会の風圧を常に受けているわけです。
 来店するお客さまへの日常的なチェックは、お互いが顔見知りであるようなエリアでは、お客さまの反発が強いでしょうから到底無理でした。また都市部においても、預金の出し入れはもっともナーバスなパライバシーですから、根掘り葉掘り聞くのはタブーであったと思います。
 しかし、今やこのような対応は当たり前になっています。すると真偽にいま一つ信任を置きにくい委任状を求めるより、直接、本人に聞きただす方がシンプルで、かつ有効な「本人の意思確認」手段になってきた、といえるのではないでしょうか。

◆本人の意思確認は「電話で」が主流

 何件かの銀行に、フロアやインターネットに委任状が存在しない理由を質問してみました。
 「当行所定の委任状は用意していません。(代理取引などの場合に)本人の意思確認が必要なときには、電話でご本人さまに本人確認と引き出しの目的をお聞きしております。電話での対応が困難な場合は、代理をする人に念書を提出いていただいています。誰が引出しを行ったのかのエビデンス(証拠)を残すためです」(地方銀行の支店課長)

◆高齢者は電話が苦手、憂うべき変化です

 高齢の親に代わって子が預金を引き出すことは、昔も今も広く行われています。しかし子の代理が認められる条件は、「委任状と通帳・印鑑という3点セット」という昔ながらの方式は少数派となり、いま銀行が求めるのは本人意思の直接的な確認です。このような変化は、親の認知症を心配する家族にとっては「憂うべき変化」なのではないか思います。

なぜなら、高齢者は電話が苦手だからです。特に、不意に見知らぬ人(今回は銀行)から予想もしていない質問を受けた場合、健常な人でも面食らうのが普通です(不意打ちは詐欺犯の常とう手段ですからね)。あわてて答えようとして、よけいに混乱。落ち着きを取り戻すのに時間がかかります。ましてや認知機能が落ちてきている人は、事前に練習でもしていない限り、正しく反応するのはむずかしいでしょう。
 もっと正直にこの影響をいえば、こういうことです。
   委任状はめんどうですが、▼本人が行員と顔を合わせなくてすむ、▼要件を直接伝えなくても「書いて伝える」ことができる、という利点がありました。その書面が使えないとなると、家族にとっては「認知症と気取られにくかったのに、『本人をお願いします』は痛い!」ということになります。
 ゆうちょ銀行、JAバンク、ろうきん、それに信用金庫の中には委任状が通用する金庫もあります。親の認知症が心配な場合は、おつきあいする銀行も家庭の事情に合わせて、選択していくのが賢明みたいですね。

▼▼▼ 家族信託による認知症対策はコチラの本が詳しいです。

□ ■ □ ■

私が憂いているのは、最後から3行目の赤い文字で書いた部分。
認知症の父や母のいる家族にとって、キャッシュカードや、(それがなくても)銀行フロアに委任状さえあれば《何とかできる》と、あまり悲観的には考えないでしょう。
しかし今、「委任状」はフロアにはありません。窓口で受け取る方式。本人を連れずに窓口まで来て委任状提出で済むなら、それほど不安を感じなくても済みそう。《代筆も利きそう、ハンコもあるし》と思えますからね。しかし今は「窓口で受取る方式。余計な関門ができてしまいました。家族にとってはそれだけで大きなプレッシャー。
家族の代理出金は、心理的に大きな圧迫を感じる“事務”に変わってきているのです。

家族の代理出金 こんな記事も書いたのでご参考に!

★認知症患者の預金、家族の引き出しOKは本当か!? 全銀協指針、本音は成年後見だ!!

<初出:2022/12/30>

静岡県家族信託協会
行政書士 石川秀樹(ジャーナリスト)

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この記事を書いた人

石川秀樹 行政書士

石川秀樹(ジャーナリスト/行政書士) ◆静岡県家族信託協会を主宰
◆61歳で行政書士試験に合格。新聞記者、編集者として多くの人たちと接してきた40年を活かし、高齢期の人や家族の声をくみ取っている。
◆家族信託は二刀流が信念。遺言や成年後見も問題解決のツールと考え、認知症➤凍結問題、相続・争族対策、事業の救済、親なき後問題などについて全国からの相談に答えている。
◆著書に『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』。
◆近著『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決』。
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