★不動産の家族信託、「保佐相当」の診断が出たらアウトだ!

家族信託

こんにちは、静岡県家族信託協会石川秀樹です。

家族信託の契約は『認知症』と診断されたらもうダメですか?」
との相談がよくあるものですから、今年3月1日、こんな記事を書きました。

★家族信託の契約は「認知症と診断されたら即アウト」ではありません!

あれから7か月、状況はさらに厳しくなってきているので記事を全面改訂。
不動産の信託と認知症、「保佐相当」の診断が出れば即アウト!です。

 

■「保佐相当」では契約困難

前回はこんなイラストを示しました。

どの段階まで家族信託はできるか

「a」は正常
「b」は補助相当
「c」は保佐相当
「d」は成年後見相当

として「cの常況にいる人と信託契約できるかが『悩ましい』」と書きました。
気持ちとしては『信託契約をする意味が本当にわかる人なら、粛々と進めてあげたい』と思っていたのです。
しかし、現実的には「それは難しい」ということが最近、はっきりしてきました。
診断書の「保佐相当」にチェック(✔)が入っている場合、司法書士は不動産登記の手続きを拒否するからです。

 

■裁判所提出用の診断書が決め手

先日、土地の売買をめぐってこんなことがありました。
売主の現在の常況を司法書士に話して登記の可否を打診したところ、前向きな返答をもらえたので家庭裁判所提出用の診断書を見せたところ、即座に「これは無理」と断られてしまったのです。

 

司法書士の判断の決め手は7番目の項目「判断能力判定についての意見」だったようです。

□ 自己の財産を管理・処分することができない。(後見開始相当)
☒ 自己の財産を管理・処分するするためには、常に援助が必要である。(保佐開始相当
□ 自己の財産を管理・処分するするためには、援助が必要な場合がある。(補助開始相当)
□ 自己の財産を単独で管理・処分することができる。

 

2番目の「保佐開始相当」に✔が入っているのを目にした途端、診断書を私に返し
「無理ですね」
保佐」と「補助」の違いは「常に援助」か「たまに援助」かの違いですが、文言以上に大きな差があったようです。
司法書士は売主本人に会っていない段階でしたが、即断でした。

 

■司法書士は「保佐相当」即アウト‼ と判断

『本人に会ってもいないのに断るのかよ!』
と一瞬、私はムッとしました。
そのすぐ上には「HDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)」の記述があり、「21点」とあるのです。
点数の評価について長谷川和夫博士自身が「30点満点中20点以下だと“認知症の疑い”となり、21点以上を非認知症」と解説しているのです。
ギリギリセーフと言える点数です。
それでも医師は、「補助相当」ではなく、一段重い「保佐相当」にチェック(✔)を入れました。
医師に根拠があったのかどうか。
無難に、より重い方に✔を入れたとしか思えません。
この1行の違い、実に大きいです。
これで売り方・買い方双方が同意のハンコを押した土地売買契約が、宙に浮きました。

 

 

釈然としない気持ちがあったため、東京、横浜、静岡の司法書士3氏にも同じ診断書を見せ、手続きの可否を問いましたが、結果は同じでした。
これでわかったこと―――
裁判所提出用の診断書に「保佐開始相当」のチェック(✔)が入っている場合は「登記しない」、というのが“業界標準”になっている(らしい)、ということです。

 

認知症のサイン、甘く見てはダメ!

本人を実際に見ないまま判断するのはいささか乱暴だ、と私は思います。
しかし、法令順守を旨とする士業なら、医師の判断を無視できないことは確かでしょう。
理屈を言えば、本人の常況が本当に「保佐相当」であるかどうかの判断は医師でも難しい、だから自分の目で確認して決めるべきだ――、とは言えますが、正直いって、それ以上追及する気にはなれませんでした。

 

断らなければ唯一の基準は「(司法書士である)自分の判断」となります。
もし裁判になって「医師とあなたの判断と、どちらを信ずべきですか?」と裁判官に問われれば、こちらに勝ち目がないことは明らか。
残念ですが、安全策をとる他ありません。

 

前回、「イラストcの常況にいる人と信託契約できるかは微妙」とした私の判断を撤回します。
保佐相当」と医師が判断した時には、この土地売買契約に大きな支障が出る、ということです。
それは家族信託契約でも同様。
私が独自の判断をして契約書を書き、委託者と受託者が公証人の面前で「家族信託契約公正証書」を締結したとしても、委託者から受託者への「所有権移転登記」と「信託の登記」ができなければ、不動産を信託財産とすることはできません。
空っぽの契約書を作っただけ、になってしまいます。

 

少なくとも、自宅などの不動産を信託したいと思うときには、委託者の常況が「健常」か「補助相当」の軽い認知症にとどまっていることが、必須の条件となります。
近い将来に不動産絡みの課題を持っている人は、認知症のサインを甘く見てはいけません。
思い切って、早めに家族と信託契約を結んで「安心」を確保してください。

 

◆金融資産と認知症と家族信託の関係についてこちらもご覧ください。
★<徹底比較> 成年後見と家族信託、認知症の家族を救えるのはどっだ?

★成年後見費用、1000万円超の衝撃! 生涯コストは家族信託の10―30倍‼

★凍結される前に‼ 家族信託パンフレット申込フォーム

◎成年後見に代わる認知症対策の切り札
「家族信託」の詳細パンフレットを作りました。

家族信託を知りたい方、家族信託の活用を考えている人のために、静岡県家族信託協会が制作しました。

記事下用パンフレット

認知症対策としての家族信託に絞って、成年後見にも言及しながら、わかりやすく解説しています。
第1部はオールカラー16㌻(手遅れにならない対処法を最近、4㌻追加)。
第2部は10㌻。「家族信託で解決したいことチェック表(家族信託の適応例を一覧)」「委託者さまの常況確認シート」「料金表」などで構成。
ヒヤリングする際の重要な資料として使います。
パンフレットは、郵送料を含めすべて無料です。

パンフレット申込メールフォーム

◎家族信託・成年後見・認知症・遺言・延命と尊厳死・終活・死後の心配などについてメールで無料相談を行っています。

メールで無料相談

サイトのトップページへ

静岡県家族信託協会

ジャーナリスト石川秀樹
相続指南処行政書士

■■ 静岡県家族信託協会ホームページ ■■

『認知症の家族を守れるのはどっちだ!?
成年後見より家族信託』
この一冊があなたの“くらし”を変える!

.
石川秀樹石川秀樹

石川秀樹

石川秀樹(ジャーナリスト/行政書士) ◆静岡県家族信託協会を主宰 ◆『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 家族信託より成年後見』の著者 ◆新聞記者40年。61歳で行政書士試験に合格。 ◆「お悩みを聴かせてください。大丈夫、解決できますよ」が信念。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

好評‼『成年後見より家族信託』

家族信託の本、発売中
全国の主要書店で発売中。
静岡県家族信託協会
または Amazonでも購入できます。
本の内容詳細はコチラから。
目次をご覧ください

(表紙)家族信託の本

静岡県家族信託協会でご購入なら送料無料
後半人生のための『大事なこと、ノート』をプレゼントします。

★家族信託のパンフレット、刷新!

新版、16ページに倍増。無料で郵送。
家族信託の豊富な事例を追加。
銀行に凍結されたら手遅れです。
成年後見に追い込まれる前に決断を。
お申し込みはコチラから。
《静岡県家族信託協会》

家族信託パンフレット

石川秀樹石川秀樹

石川秀樹

石川秀樹(ジャーナリスト/行政書士) ◆静岡県家族信託協会を主宰 ◆『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 家族信託より成年後見』の著者 ◆新聞記者40年。61歳で行政書士試験に合格。 ◆「お悩みを聴かせてください。大丈夫、解決できますよ」が信念。

本日のトップ5

  1. 1

    ★使ってはいけない「成年後見」。認知症対策の切り札にはならない‼

  2. 2

    ★延命したいなら「鼻からチューブ」。父が脳梗塞、家族は突然に最終決断を迫られる!

  3. 3

    ★代理人カードを使え! 認知症による口座凍結を回避

  4. 4

    ★認知症患者の預金口座からの家族の代理引き出しに指針(全文)|全国銀行協会

  5. 5

    ★延命治療、始めたら本当に止められない!? もっと”出口”の話をしましょう

★静岡県家族信託協会

054-207-9592
祭日以外は営業しています。

★『成年後見より家族信託』

家族信託の本、発売中
全国の主要書店で発売中。
静岡県家族信託協会
または Amazonでも購入できます。
本の《目次》はコチラから。

(表紙)家族信託の本

<著者石川が無料でご相談に答えます>
本235PのQRコードから「家族信託パンフレット申込フォーム」に跳んでメールを送信いただけば、私が読者の問題に直接「答え」を差し上げます。
TOP