★やっぱり家族信託。認知症対策の切り札。後見に代わって親のお金の管理問題を解決します!!

家族信託

《家族信託パンフレットへの送り状から》

 「家族信託」を私は、認知症対策の切り札と思っています。しかしまだ、成年後見制度ほど、一般の人には知られてはおりません。
 知られていないといえば「認知症」も同じです。認知症を知らない人はまずいませんが、認知症の本当のコワさをご存じの方はほとんどいません。認知症の本当のコワさとは何でしょうか!? 
お金を止められること、預貯金が凍結されること、あなたの生きる道を破壊するんですよ!

 

銀行口座凍結、それが成年後見の入り口

「成年後見」は国が始めた制度ですが、制度運用上の不備が実に多いのです。その最たるものが、家族を成年後見人にしてくれないという事実でしょう。そのほか数えきれないほどの“思惑違い”があり、ですから最近は「後見被害」という言葉さえ生まれている始末です。<普通の家族は、成年後見制度を使ってはいけない!>と、私は警告してきましたが、それでも年間3万9809人もの人たちが、新たにこの制度に駆け込んでしまっています(令和4年3月の最高裁判所統計)。

<関連記事>◆成年後見制度についての解説記事
成年後見制度がふつうの家庭では使いにくい理由を、あまさず解説しています。
★使ってはいけない「成年後見」。認知症対策の切り札にはならない!!

 

認知症の問題は、深刻であり破壊的で、家族の生活や心に大きな傷を負わせます。しかし本当に残念ながら、多くの人がその“リスク”にさえ気づいていないのです!!

▼預貯金がおろせない(銀行がおろさせてくれない)
▼「定期預金」が解約できない
▼生命保険の死亡保険金を受け取れない
▼家族が証券会社に頼んでも、親の株取引を止めてくれない――
などということが起こり、どの金融機関の窓口でも「それなら成年後見制度を使ってください」と誘導。
その時初めて私たちは、放置してきた時間の取り返しのなさに気づいてあわてるのです。

“認知症で親のお金が使えない(=凍結)”状態になって気づいても、遅いです!
そう、まったく遅い。
その手遅れになった家族を、成年後見という制度は(国の制度でありながら)、「お金が止められた!」という大ショックの最中に、この“困った制度”に誘い込む格好の入り口にしている。

親の認知症対策に特化したパンフレットとヒヤリングシート

親の認知症対策に特化した家族信託パンフレットとヒヤリングシート。最近、さらに「相続対策のために使う家族信託」のパンフレットも作成しました。詳しくは記事をお読みください。

 

お金の問題が認知症を“災厄”に変える

2019年6月のこと、覚えていませんか?
金融審議会の市場ワーキング・グループが「老後の資金は、公的年金頼みでは2000万円も足りなくなる」と報告書を出しました。年金では足りない!と、“不都合な真実”を国の専門家チームが言ってしまった。麻生副総理兼財務相が慌てふためいてレポートの受取りを拒否し、かえって世間の怒りに火をつけてしまいました。
年金では老後資金は足りない!! そのこと自体は大ショックです。でも、もっと身近に大きな大きな障害がある。老後のためにと貯めてきたお金を、さて使おうとしたときに「あなたは認知症なのであなたの意思確認ができない。だからお金はおろせません」だなんて……。お金の凍結! 誰がそんなこと、想像できたでしょう。
不意打ちです。いつの間にか、銀行はなんでも融通が利いて親切な場所ではなくなっていた。意地悪するかのように、お金をおろさせてくれないんです。
平成、令和の時代はそうなってしまった。そういう現実の中で老人は生きている、認知症になれば親切に対応してくれるどころか、「無防備に、何もしてこなかったあなたが悪いんでしょ」と言わんばかりに、扉をバタンと閉められる。
金融機関はもはや「あなたの見方ではない!」ということを、知ってください!!

 

人生は100年。超長命の時代です。さらに認知症リスクが加わる。
それなのに、あなた(の親)ときたら、例外なく――――
せっかく貯めてきたお金を銀行に言われるままに、定期預金に換えさせられ、生命保険や投資信託に投資させられている(違いますか?)。
あなた(の親)がしていることは、自由に動かせるお金を、わざわざ大きな、動かしにくいお金に換えてしまっている、ということです。そしてそのお金は、あなた(の親)が認知症になったら、誰も使えなくなる。
どうか、自分の認知症リスクも考えてください。嫌なことは考えない、なんてダメです。それではこの時代、生きてはいけないる

 

凍結されたら成年後見制度、ではつらすぎる!

認知症になって自分のお金を管理できなくなれば、成年後見制度を使ってくださいと、金融機関も国もそう言っています。まるでそれがルールであるかのように。
(いや、本当に「ルール」になってしまっているのです。「あなた、認知症で判断力をなくしているのに『お金をおろさせろっ!』ですって? とんでもない、危なくてしょうがない。成年後見制度を使いなさいよ。横紙破りを言っているのはあなたですっ!!」と言わんばかりに)

 

成年後見、とても使いにくい制度です。家族の支えがない、協力が見込めない人にとっては最後のよりどころではあるものの。そういう面があるから成年後見制度は、なくてはならない制度のひとつではありますが、でも、家族の支えがあるなら、あなたが認知症になったとしてもこの制度を使わなくてもいい。ちゃんと生きていけます。普通に暮らしていけるんですよ。
お金が凍結されて困り抜いた挙句に、「成年後見制度がある」とささやかれてそこに飛び込み、結果、本人も家族も涙を流して悔しがっている人たちが大勢います。《そういう災厄は絶対に防がなければならない》、と思って私は、2019年4月に
『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』を書いたのです。
幸いこの本は、全国の書店やAmazonなどのネット書店でも好評で、認知症で困り抜いているたくさんの皆さんに読んでいただき、5刷りとなりました。
この本では、認知症の家族を救うために「家族信託」を紹介しています。

名義を移して子に管理を任せるのが家族信託

家族信託は、委託者が財産を信託するとその名義を、受託者の名前に書き換えます。
しかし実際には、受託者が銀行に行って「今度、家族信託をするので、親のA通帳を、受託者になる私のB通帳に名義変更して」と言っても、行員は応じてくれません。
(銀行口座は「譲渡禁止」の特約が付いているから、不可能なんです)
ではどうするか?
親自身が銀行に行き、いったんはA通帳からお金をおろし、あなたに託さなければなりません。[委託者:母、受託者:あなた、という家族信託の契約書]を作ってから、あらためてあなたが信託口(しんたくぐち)口座で管理するB通帳に入金する。
こういった手順を踏まなければなりません。(B通帳はただの「B」ではなく、「Aの信託受託者 B」といった名義になります)
親御さんの認知症が深刻なら、こんなこと、できませんよね。
だから、親ができるうちに(家族信託に向けて)子が動かなければ、家族信託はできないんです。

家族信託で受託者が使う通帳

家族信託で受託者が使う通帳(委託者:石川春子 受託者:石川秀樹)

 

不動産を信託する場合も同じ。
登記簿で[所有者A]となっている名義を、信託後は「受託者」という肩書を付けて[受託者B(下の例では「駿河一郎」)]に名義変更します。以後Bが、信託不動産についての“形式的な所有者”とみなされるわけです。これをするには「所有権移転登記」と「信託の登記」という2種類の登記を、同時に行うことになります。
所有権変更を行うときに司法書士は必ず、所有者としての名義を失うAさんの意思確認を行ないます。Aさんの認知症がひどくなっていると、司法書士は登記業務を引き受けてくれません。ですから、銀行と司法書士、この2つの“関門”を通らなければ「家族信託」はできないんです。

家族信託で不動産を信託すると、権利者欄は「受託者 ○○○○」に換わる

家族信託で不動産を信託すると、権利者欄は「受託者 駿河一郎」に換わる

 

本書では思い切って、歯に衣着せずに私が成年後見制度に思っていることを書きました。多くが批判です。しかし成年後見制度は、独り暮らしで認知症を抱えた人とか、家族の援助を受けられない人、家族がいても資産をめぐって家族が対立している場合などには力を発揮します。だから全否定はしませんが、普通の家族の場合、他人(職業後見人)が突然入り込んできてすべての財産を牛耳り、四角四面で自由のきかない金銭管理を行うようなこんな制度は、使いたくないのではありませんか? にもかかわらず、とても多くの人たちが親のオカネを引き出せないばかりに、成年後見制度を使わざるを得なくなっているんです。

 

家族信託をするなら、「今」がラストチャンス

認知症は少しずつ悪化していく病気ですから、対策する時間は十分あったはず。
コロナウイルスは感染力が強く、突然重症化するし、いったん重篤になると人や年齢、性別、有名無名を問わず、死地に追い込みます。そういうことが分かってきたのに、事態を甘く見る人がまだまだ多く、“騒ぎ”がなかなか終息しません。
コロナに比べれば、認知症は当初“病い”にさえ見えず恐ろしいとは感じられません。でも、実際は死に至る病です。治す薬はありません。進行を完全に止める薬も発見されていない。認知症は、徐々に人の脳の機能を低下させ、その人らしさを奪い、意思能力を失わせます。しかも高齢になれば2人に1人というすごい確率で症状が出てくるという、まことにやっかいな病気。
とはいえ認知症は、コロナウイルスに比べれば、突然に人を重篤化させたりはしません。「時間の猶予」はある。この間に、なんとかしなければなりません。
本当に、なんとかしなければダメなんですよ。認知症の人は、今日日、偏見の目で見られるようになってきたからです。「差別」と言ってもいいでしょう。さほど認知機能が極端に落ちていなくても、銀行で「母が認知症で……」などといった途端に過剰反応されて突然口座を凍結される、なんて“事件”が頻発するようになってきました。  
対策は急いでください!

 

危機が身近に迫っている。
警告を発する人もいる。
なのに人は、『自分は大丈夫』『自分には起こらない』と高をくくり、何もしない。
歯がゆいですよ。とても悔しい。猶予の時間は、コロナに比べれば段違いに長くある。2、3年はなんとかしのげるかもしれない。その間こそがラストチャンスなんです! みんな高齢だから、大きな病気をしたりケガで寝込んだり、脳梗塞で寝たきりになったりすれば、坂を転げ落ちるように一気に症状は悪化します。
家族が『アレっ!?』と思ったとき、それが誰にでも『んっ?』と思わせるようになれば、もう時間的な余裕はほとんどありません。
銀行で、きょうはお金がおろせるかもしれない。でも、次は大丈夫ですか!?
自分のお金を自分でおろす。誰もが当たり前に思っていることが、できなくなる日が迫っている。100歳長寿は「with認知症(認知症と共にある)」んだ、とみんなに思ってほしいんです。
ひとり暮らしをしていて、お金が下ろせなかったらどうしますか? そうなってからの解決法は、成年後見制度にお願いするしかありません。
でもあなたに、信頼できるご家族がいるなら、自分の意識がはっきりしているうちに、自分の意思で金融資産や不動産や自社株など重要な財産を子に託して、以後の管理を任せてみましょう。元気なうちなら、自分で「受託者」にした子の活動ぶりを自分で見守ることができます。期待外れだったなら、やり直す事だってできる。

 

何もしないのが「あなたの最大の失敗」になる

子どもに迷惑をかけたくない、なんていいながら何も行動しなければ、成年後見制度を頼るしかなくなります。子は親を何とかしてあげたいと思っても、財産管理も、身上保護からも遠ざけられ、何もできない。家庭裁判所主導の“棒をのみ込むような形式ばった管理”に服し続けることになるでしょう。
身上保護=福祉サービスの契約や施設入退所の契約手続きなど、被後 見人等が安心して生活ができるように環境を整えること。

 

『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』で書きたかったことは、成年後見批判などではありません。
どうか気づいてください。

認知症は、甘い病気ではないことを!!
最後は命を奪うし、命を失う前に「社会的存在」としてのあなたの尊厳を奪ってしまう。尊厳を失ったあなたのお金は、家族でも動かすことができず、成年後見人によって細々と管理されるのです。意思能力を失ったあなたの思いを(家族なら忖度してあなたの喜びを引き出してくれようとするでしょうが)、官製の成年後見人は、そんな気の利かせ方なんかしてくれません。

 

ひとりでも多くの「あなた」かまたは「家族のひとり」に気づいてほしい。
認知症がひどくなり手に負えなくなって成年後見に駆け込むようにならないように、「ちょっとおやじ(おふくろ)、おかしいかも」と思ったときには、急いで家族会議を開いて、この問題をどうやって解決していけばいいかを、何時間かけてもいいから、親子きょうだい、腹を割って話し合ってもらいたい。
病気になるのはあなたのせいではない。
運否天賦、神様、仏様のみがかかわる世界ですから、私たちは謙虚に、家族の各人がどういう役割を果たせるのか、それを話し合いましょう。

病気が深刻でないとき、まだ予兆、かすかな言動の変化にとどまる段階なら、家族信託を中心に、どのような方策も講じることができます。
どうぞ、私のような専門家を訪ねてください。場合によっては、呼びつけてください。時間を作って駆け付けますよ。認知症のこと、医療や介護や福祉のことも人通り知り、何よりも新しい財産管理法である家族信託に精通し、成年後見の現場も知っている専門家の知恵を、使ってほしいのです。

 

何もしないのが、あなたの最大の失敗になります!
家族の中でいち早く“うちの親の問題”に気づいたあなたが、動いてください。
以上が、私が著書でみなさんに伝えたかったことです。

 

ヒヤリングシートをご活用ください

それでは家族信託のパンフレットヒヤリングシートをお送りします。
ヒヤリングシートは、家族信託契約書を私が作成する際に委託する方、受託される方双方から聴き取る際に、実際に使っているものです。必要事項を書きつけますと、家族信託で実現したいことがはっきりわかるようになります。
また表裏2枚で「委託者さまの常況ヒヤリングシート」も同封しました。このシートは、成年後見制度の申立てをするときに医師の診断書を付けますが、その診断書を独自にアレンジして作成したものです。あなた自身が委託者になる方の現在の健康状態を書き付けてください。
医療機関の診断書に「認知症」と書かれたら「もう家族信託は無理」、となるわけではありません。逆に診断書上では「シロ」でも、本人がかたくなに財産を託すのを拒むようなら、家族信託はすべきではありません。要するに、意思能力の衰えを感じている本人が「家族信託をして老後を安心して暮らせるように、家族の力を借りたい」と思えるかどうかです。判断能力が残っているかどうか、が問題です。まず客観的に、親の常況がどのようであるのか、あなたの見立てを書いてください。
家族信託をできる可能性が見えてくるかもしれません。

※以上の記事は、「認知症➤資産凍結」問題に対応するための家族信託パンフレットを郵送するときに同封してきた「挨拶状」です。
私の初めての著作『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』出版に際し、従来の8ページパンフレットを増強したものです。
昨年10月、3年ぶりに出版したのがこの記事の下にある『家族信託はこう使え 認知症と相続  長寿社会の難問解決』です。こちらの本のテーマは、「認知症対策に加え、あなたの相続のためにも家族信託は役に立つ」です。今回も、読者や本サイトを閲覧するみなさんのためにまったく新しい家族信託のパンフレットを作りました。
興味のある方には無料で差し上げます。上記のコラムの画像か見出し、または下記のコラム[家族信託に関心がおありですか?]の中の<メールフォーム>から申し込むことができます。

<初出2019/4/25、最終更新2023/1/29>

 

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成年後見制度に委ねるより、家族信託という手法を使う方が悩み解消につながるかもしれません。
家族信託は委託者と受託者の契約ですから、すべての事案でオーダーメイドの対策を講じることができます。
成年後見人は意思能力を失った本人の代理なので、将来へ向けての「対策」は一切できないのです。
家族信託なら財産管理から相続対策のことまで、契約の中に盛り込むことができます。
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この記事を書いた人
石川秀樹 行政書士

石川秀樹(ジャーナリスト/行政書士) ◆静岡県家族信託協会を主宰
◆61歳で行政書士試験に合格。新聞記者、編集者として多くの人たちと接してきた40年を活かし、高齢期の人や家族の声をくみ取っている。
◆家族信託は二刀流が信念。遺言や成年後見も問題解決のツールと考え、認知症➤凍結問題、相続・争族対策、事業の救済、親なき後問題などについて全国からの相談に答えている。
◆著書に『認知症の家族を守れるのはどっちだ!? 成年後見より家族信託』。
◆近著『家族信託はこう使え 認知症と相続 長寿社会の難問解決』。
《詳しいプロフィールは「顔写真」をクリック》

 

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